人間も所詮「動物」だね

先日、膝の手術で入院しました。しんどかったのは手術日の朝から翌日の午前中までだったので、今回は短かったです。
2002年に胆石で入院した時は、ごくわずかな人にしかおきないと説明された副作用がいろいろ出て、とても大変な入院生活を送ったコトを思い出します。
この2回の手術で思ったのは「人間も所詮は動物だね」ということです。たとえは手術では麻酔をしますが、全身麻酔だったら笑気ガスを吸えば誰でも気を失います。下半身麻酔だったら脊椎に注射をすれば誰でも下半身の感覚がなくなります。人間ってひとによって考えていることや行動していることが違いますが、こと医師の前で医療行為をされているときは、個性というモノがなくなって、Aを行えばBという反応をする単なる動物になってしまいます。
手術が終わってからも、同じ手術をした場合の術後の段取りどおり、点滴を受け、何時間後までにはおしっこを出す(出なければ導尿をしてでも出させる)と決まったとおりの経過をたどります。
医学も科学ですから、だれが治療や手術をしても同じという普遍性があるはずです。そして、そのようになるのはそれを受ける側の患者が個性を持った「私」ではなく、みんな同じ「動物」だからです。

動けないってつらい

きょう膝の手術をしました。手術の直後は下半身麻酔が効いていて、感覚もなく全く動けませんでした。これはこれで意識も含めて上半身は普通に動けるのに下半身は存在感がなくて、イライラする状況でした。
数時間経って麻酔が切れてくると、下半身の感覚が戻ってきて、動こうと思えば動ける状況になってきました。ところが治療の観点から、手術した方の脚は固定されて温度を下げるようなカバーがされています。反対側の脚はエコノミークラス症候群にならないように、浮き袋みたいなモノを巻いてポンプで空気を入れたり出したりしています。要は動けるのに、治療機器のために動けないのです。
動く・歩き回るなどは普段は特に意識せずに行っていますが、いざ動けない状況になると、コレってヒトにとってごく普通のことなんだな、と感じました。歳をとったり身体が不自由だったりして、頭はピュアでも身体が自由に動けなくなると、とてもしんどいことだなぁと実感しました。
私の場合は、仕方ないので明日の朝まで寝ちゃえばすみますが…。

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国民投票は民主的か?

イギリスがEUを離脱するかどうかの「国民投票」が6月23日に行われました。結果はみなさんがご存じのように、僅差で「離脱」に決しました。

その途端にポンド安、それが回り回って日本では円高と株価の急落が起こりました。イギリスがEUを離脱すると、イギリスとEU諸国の間での貿易では関税がかかることになります。日本企業はイギリスに工場を建てて、EU域内に製品を売っていましたが、イギリスがEUを離脱すると、前述のように関税がかかるようになります。例えば日立はイギリスに鉄道車両工場を持っていて、高速鉄道の車両をEU域内の国々に売るつもりでいた訳ですが、これからは関税がかかることになります。

イギリスにEU離脱の話が持ち上がったのは、難民問題が大きくあるようです。中東やアフリカから流入してきた難民はEU域内を移動して、経済の調子のよい国であるイギリスなどを目指します。そうすると、難民への社会保障に多額の費用が発生したり、難民によってイギリス人の雇用が脅かされることになります。また難民によって治安が悪化することも懸念されます。

そのようなことを正面に出して、離脱派はキャンペーンをはり、マスメディアがどちらかに偏った報道をすると、国民の考え方の大きな流れは簡単にある方向に変わっていきます。つまり国民投票は国民の意思を集約しているように見えて、実際はマスメディアなどの大きな力が働いて結論を出してしまうことになり、必ずしも民主的であるとは思えません。今回のイギリスのEU離脱もこんな状況で決まったことと思われます。

ちなみにきょう、離脱派の中心的存在だったナイジェル・ファラージ氏がイギリス独立党の党首を辞任する、という無責任な行動に出ました。結局、独立を叫んだ人たちは本気でそう思っていたのでしょうか?